10人未満の企業、3割超の従業員が「OJT経験なし」〜人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査より〜

  • 2017.09.27 Wednesday
  • 10:26

独立行政法人労働政策研究・研修機構では、従業員30人未満の企業を対象として「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」を実施しました。

調査結果から、10人未満の企業では、人材育成・能力開発の取り組みが効果的に実施されていない現状が伺えます。

 

調査結果の概要を抜粋すると、下記の通りです。

 


 

人材育成・能力開発の取り組み(企業調査)

 

〈10人未満の企業では約25%が人材育成・能力開発の方針を定めていない〉

〇10人未満の企業では、人材育成・能力開発について特に方針を定めていないところが4社に1社の割合(25.2%)。

〈企業が取り組んでいるOJTのトップは、「実践、経験」。仕事の相談に乗る企業も半数以上〉

〇企業が実施しているOJTのトップは、「とにかく実践させ、経験させる」(59.5%)。「仕事について相談に乗ったり、助言している」も半数(50.8%)が実施。

〇OJTがうまくいっている企業の割合は77.7%。うまくいっていない企業の割合が最も高い業種は「宿泊業・飲食サービス業」(29.8%)。

〇OJTがうまくいっている企業とうまくいっていない企業で、従業員の能力に対する満足度を比べると、うまくいっている企業の方が「満足している」割合が圧倒的に高い(非管理職の正社員の場合、85.4%:45.9%)。

〈OFF-JT実施企業のほぼ9割が効果を実感〉

〇平成27年度にOFF-JTを実施した企業は約4割(39.9%)。100人以上の規模になると7割以上が実施。

〇OFF-JTを実施した企業のほぼ9割(88.7%)が、効果があったと回答。

 

人材育成・能力開発の取り組み(労働者調査)

 

〈10人未満の中小ではOJT経験がない人が3割超〉

〇10人未満の会社に勤務する従業員の3割以上(34.2%)がOJTの経験がない。

〇平成27年度にOFF-JTを受講した従業員は1割台。30人未満の会社に勤務する従業員では9割以上が受講していない。

〇その一方で、受講したOFF-JTによって得られた技能・知識などが仕事に役立ったとする人は、正社員が86.0%、契約社員が91.3%、パートタイマー・アルバイトでも88.4%。

〈正社員の4割は、能力開発によって仕事の幅が広がったと認識〉

〇これまで仕事をしていく上で能力を高めてきたことで、正社員の4割(40.3%)が仕事の幅が広がったと回答。パート・アルバイトも3割以上(34.3%)が同様の実感。

 


 

10人未満の小規模企業では、「教える人がいない」「そもそも教育する時間が確保できない」などの問題があるようですが、下記の表の示す通り、現場での実践教育であるOJT経験がない人が3割超もいることは驚きですね。

 

苦労をして、せっかく採用した人材です。

しっかりと育て、会社を支える戦力として育成したいものですね。

 

 

調査結果の詳細は、下記のサイトでご覧いただけます。

http://www.jil.go.jp/press/documents/20170831.pdf

 

新米従業員、労災防止の教育マニュアル

  • 2017.06.21 Wednesday
  • 09:53

厚生労働省では、経験年数の少ない未熟練労働者の労働災害を減らすため、安全衛生に関する教育マニュアルを作成し、ホームページで紹介しています。

経験年数の少ない未熟練労働者は、作業に慣れておらず、危険に対する感受性も低いため、労働者全体に比べ労働災害発生率が高い状況になっています。

本マニュアルは、雇い入れ時や作業内容変更時等の安全衛生教育に役立つよう、作成されました。

 

 

マニュアルは、「製造業向け」「陸上貨物運送事業向け」「商業向け」の3業種に分かれています。

また、「製造業向け」では、英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語という4か国語にも対応しています。

内容は、グラフや図を活用することにより、非常に分かりやすい内容となっています。

 

ちなみに、労働安全衛生法(第59条)では、下記のように安全衛生教育を事業主に義務付けています。

 


 

「事業者は、労働者を雇い入れたとき又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行わなければならない。」

 


 

なお、教育する項目として、厚生労働省令では下記の内容を定めています。

 

ゝヽE、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取り扱い方法に関すること

安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取り扱い方法に関すること

作業手順に関すること

ず邏罰始時の点検に関すること

ヅ該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること

整理、整頓及び清潔の保持に関すること

Щ故時等における応急措置及び退避に関すること

前期 銑Г里曚当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項

 

 

職場での労働災害は、労働者のみならず企業活動にも大きな影響を及ぼします。

今一度、確認してみてはいかがでしょうか。

 

マニュアルは、下記のサイトでダウンロードできます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118557.html

 

 

適性テストの結果から見る「新入社員の育成ポイント」〜エン・ジャパン株式会社調査より〜

  • 2017.06.09 Friday
  • 09:56

「ゆとり世代」などと言われる新入社員。

どのように育成すればよいか、悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。

 

エン・ジャパン株式会社では、同社が提供する新人研修プログラムを受講した2017年度の新入社員322名を対象に、『3E‐IP』という適性テストを実施しました。

その結果のもとに、新人の特徴や育成ポイントをまとめたレポートを公表しています。

 

以下、レポートから抜粋すると。

 


 

【2017年度の新入社員の特徴】

 

コミュニケーションの取り方:周りを巻き込むことが苦手で、殻にこもる

〇物心ついた頃からSNSが普及しており、自分の心模様や関心ごとを発信する機会が日常に溢れていた2017年新人世代。自分の意思を伝えたいという気持ちは強いものの、周囲からの見え方を気にする傾向があるため、自分から人と関わることや対面での意思表示は苦手なタイプが多い。

〇例えば、大勢が集まる研修や会議のシーン。アイデアや疑問が浮かんでも、発言や疑問を投げかけないため、関心が薄いと周囲に誤解される可能性もある。筋道を立てて説明することも、熱意で周囲を巻き込むことも苦手なため、自分の考えや提案を相手に理解してもらうのには時間がかかる可能性がある。

 

仕事へのスタンス:競争を好まず、安定したキャリアと私生活を重視

〇人との競争やリスクを伴う挑戦は好まず、真面目にコツコツと特定の分野で自分の能力やスキルを成長させたい志向が強い。

〇管理職や経営幹部へのキャリアといった興味や関心度は薄く、仕事とバランスを取りながら私生活の充実を重視する傾向。

〇今後のキャリアや処遇の安定のため真摯に仕事へ取り組むが、過剰な業務量や責任の重いミッションを任されるとストレスをためやすい傾向がある。

〇これまでの慣例や既成概念のとらわれることなく、柔軟に変化させながら仕事に取り組むことは得意な反面、自分の判断で自律的に進めることは苦手なタイプが多い。

 

 


 

全ての新入社員に当てはまるわけではありませんが、「真面目でコツコツ」「バランス感覚重視」という長所が伺えるますね。

反面、若者特有の『熱量』が不足している印象も感じますが・・・。

 

このような特徴を持つ新入社員。

レポートでは、新入社員の育成ポイントについても触れています。

育成のポイントは、以下の3点。

 

‖佻辰篝榲世鯀やし、指摘する場所とタイミングを考慮する

⊂さな承認・賞賛を積み重ね、行動計画を完遂させる

4待をかけ続け、新しいミッションへ挑戦を促す

 

正直言って、目新しいポイントがあるわけではありませんね(笑)

人材育成は、いつの時代でも普遍的なものがあるということでしょうか。

 

 

レポートの詳細は、下記のサイトでご覧いただけます。

http://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/3531.html

 

 

 

満足度の高い人事評価制度、ポイントは「頑張る方向性を明確にする」〜人事評価制度に対する意識調査より〜

  • 2017.06.07 Wednesday
  • 10:57

コストと時間をかけて人事評価制度を導入したけれど、従業員の満足度はいまひとつ・・・。

皆さんの会社の人事評価制度はどうでしょうか?

 

リクルートマネジメントソリューションズでは、企業に勤める20代〜40代の男女正社員を対象として、人事評価制度に対する意識調査を実施しました。

調査内容は、人事評価制度の実施状況や満足度、評価をめぐる上司・部下間のコミュニケーションの実態などです。

 

調査結果から、従業員の満足度が高く、なおかつ評価による意欲向上のポイントが見えてきました。

ポイントは、「頑張る方向性の明確化」と「承認・感謝の言葉」です。

 

以下、調査結果からの抜粋です。

 


 

〇「自分の人事評価をどの程度重視しているか」という質問に対しては、約8割が「重視」と回答。

〇しかし、「現在の人事評価制度に対いて満足しているか」との質問に「満足している」と回答したのは約半数にとどまる結果となった。

 


 

人事評価制度の重要度は認めるものの、満足度は決して高くない状況ですね。

では、満足と不満足を分かつ原因となっているのは何でしょうか?

 


 

〇まず、「満足している」と回答した群は、その理由として、「会社が評価制度について具体的な情報を開示しているから」(44.6%)、「何を頑張ったら評価されるかが明確だから」(41.0%)を選択する率が高かった。

〇対象的に、「不満足である」と回答した群は、その理由として「何を頑張ったら評価されるのか曖昧だから」(54.4%)、「評価基準が曖昧だから」(47.6%)を選択する率が高い結果となった。

〇さらに、「努力しても報われないから」(31.5%)なども選択されており、評価において、「自分は何に向けて頑張ったらいいのか」が曖昧になってきたとき、不満を感じるようだ。

 


 

評価項目や評価基準を明確化し、オープンとすることも重要ですが、加えて「努力すべき方向性の明確さ」も不可欠な要素ですね。

 

さらに、調査結果では、評価をめぐる上司とのコミュニケーションにおいて、「意欲が上がった瞬間・下がった瞬間」にも触れています。

 


 

〇まず、意欲が上がった瞬間については、当然、高い評価そのものに意欲が上がったと答えた人もいたが、それよりももっと多かったのは、「承認の実感」である。

〇さらに、「自分を見てくれている」ことそのものへの喜びや、次なる成長に向けた「効果的なフィードバック」を挙げるコメントも多数見られた。なお、フィードバックについては、承認や期待とセットで伝えられたことを示すコメントが複数見られた。

〇一方で、意欲が下がった場面は、評価基準や結果の根拠の説明に納得がいかないことが、不満につながっていることが伺えるコメントが多数見られたが、同程度に「ダメ出し」などの否定的なコミュニケーションに関するコメントが多かった。効果的なダメ出しやアドバイスは意欲が上がる理由にも挙げられていることから、ネガティブフィードバックの方法や内容によって、受け止め方が大きく変わることが、改めて確認された。また、上司が自分を見ていない・人として尊重されていない・期待が分からない・・・などのコメントも多数みられた。組織の中で自分の存在価値が否定されたと感じた時に、意欲が低下することが伺える結果である。

 


 

「承認・感謝の言葉」や「成長に向けた効果的なフィードバック」が、従業員のモチベーションを挙げる大切なポイントのようですね。

 

なお、調査では下記のコメントで評価制度運用のキモを指摘しています。

 


 

〇評価の高低、またその結果としてのポストや金銭的報酬と同程度、またはそれよりも多く、存在価値の承認や成長に関して多くのコメントが見られたことは興味深い。ある組織で働くことを通じて、自分が価値ある存在であると実感し、そして今よりさらに良くなりたいといった人の根源的な欲求が叶う瞬間を増やしていくことに、人の働きがいにつながる人事評価制度の本質があることを、改めて感じる結果である。

 


 

以上、なかなか興味深いレポートでしたね。

 

 

調査結果の詳細は、下記のサイトでご覧いただけます。

https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000000572/

 

 

余談ではありますが、厚生労働省では本年4月より新たな助成金をスタートしました。

その名も、「人事評価改善等助成金」です。

この助成金は、新たに人事評価制度等を導入した企業に、最大130万円が支給されます。

ご興味のある方は、下記のサイトでご確認ください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158133.html