働き方の多様化・柔軟化は生産性向上に結び付くか?〜第15回日本的雇用・人事の変容に関する調査より〜

  • 2016.10.27 Thursday
  • 10:20

限定正社員制度や在宅勤務制の導入など、大手企業を中心に働き方の多様化・柔軟化が推進されています。

このような制度導入は、社員の生産性向上に寄与しているのでしょうか?

 

公益財団法人日本生産性本部では、1997年より、全上場企業の人事労務担当者を対象に「日本的雇用・人事の変容に関する調査」を実施しています。

今回、第15回目の調査結果を公表しました。

調査結果のポイントは、以下の通りです。

 

 屬い錣罎訐擬勸(無限定正社員)という働き方は今後も主流」との回答が約8割(82.0%)を占める。

  • その利点としては「人材の柔軟な異動・配置が可能」(92.5%)、「長期的視点に立った人材育成ができる」(76.7%)等があげられている。
  • 逆に、問題点は「転居を伴う転勤・異動があるため生活基盤が安定しにくい」(60.9%)、「残業や休日出勤など長時間労働になりがち」(33.8%)等となっている。

∪擬勸(特にホワイトカラー層)の長時間労働について企業側の評価を尋ねたところ

  • 「労働時間の長短と評価は関係ない」が44.4%と最も回答が多く、次に「プラス評価する傾向がある」が24.8%となっている。
  • また、正社員(特にホワイトカラー)の生産性が同業他社に比べて「高い」、「どちらかというと高い」と感じている企業では、長時間労働に対して「労働時間の長短と評価は関係ない」が43.8%と最も高くなっており、生産性が「低い」、「どちらかというと低い」と感じている企業では「プラスに評価する傾向がある」が43.3%と最も高くなっている。

正社員の働き方の多様化・柔軟化(時間や場所等)につながる制度の導入率をみると

  • 「フレックスタイム制度」の導入率が最も高く49.6%となっている。
  • しかし、これ以外の施策については、いずれも導入率は低く、「在宅勤務制度」(18.8%)、「専門業務型裁量労働制」(17.3%)、「短時間正社員制度」(16.5%)、「企画業務型裁量労働制」(10.5%)、「朝型勤務(始業時間繰り上げ)」(9.8%)などとなっている。

い燭世掘△海Δ靴浸楮を導入している企業では、施策の生産性向上効果を高く評価している

  • 「企画業務型裁量労働制」では「大いに効果あり」(36.4%)、「やや効果あり」(54.5%)で併せると90.9%が生産性向上に効果ありと回答している。
  • また、最近注目されている「在宅勤務制度」も同じく5.6%、61.1%で併せると66.7%となっている。
  • また、「朝型勤務(始業時間繰り上げ)」も同じく25.0%と50.0%で併せると75.0%となっており、労働時間や場所の柔軟性を高める制度が生産性向上に寄与しているとの回答が多い。

ザ侈鈎呂鮓堕蠅靴篤くことができる勤務地限定制度の導入率は30.1%となっている

  • 勤務地限定制度を導入している企業の6割強(62.2%)が、非正社員から勤務地限定の正社員に「登用する仕組みがあり、実際に該当者もいる」と回答しており、勤務地限定制度が非正社員の正社員登用の効果的な制度となりえる可能性を示しているものと思われる。

Χ叛咾篝果・貢献度に比べて賃金水準が見合っていない(賃金水準が高い)と思われる社員の年齢層を尋ねたところ

  • 50歳代という回答が49.6%と約半数を占めている。
  • こうしたことも背景に、仕事・職務内容を反映する賃金である「役割・職務給」の導入率は高水準で推移しており、管理職層で74.4%、非管理職層で56.4%となっている。

 

中でも注目したいのが、い離櫂ぅ鵐函崑人猷宗柔軟化につながる制度を導入している企業では、施策の生産性向上効果を高く評価してる」という点です。

 

下記のグラフは、本調査から抜粋したものです。

左のグラフは、制度の導入状況です。

フレックスタイム制を除き、導入割合は決して高いとはいえません。

一方、右のグラフは、制度導入済み企業における「生産性向上効果」の結果です。

導入した制度のほとんどにおいて、効果があったことが伺われます。

 

長時間労働の改善をはじめとする「働き方の見直し」は、生産性の向上と結び付いて初めて効果があったといえるでしょう。

また、優秀な人材を確保する観点でも、「働き方の見直し」は待ったなしの改革です。

大企業だけでなく、中小零細企業にとっても動き出す時期なのかもしれませんね。

 

調査結果の詳細は、下記のサイトで確認できます。

 

http://activity.jpc-net.jp/detail/esr/activity001487/attached.pdf

 

コメント
コメントする