Q.採用内定者の「内定取り消し」は自由にできる?

  • 2016.11.09 Wednesday
  • 09:59

A.合理的と認められる正当な理由がなければ無効となります

 

我が国では、新規学卒者を在学中に採用し、卒業後入社させるという採用方法が、大企業を中心に広くとられています。

この在学中に採用され、正式入社前の者を一般的に「採用内定者」とよんでいます。

ただし、このような「採用内定者」といわれる者の中にも、法律的にみると次の二種類があります。それは、「採用予定者」と「採用決定者」です。

この両者を区分すると、次のようになります。

 

【採用予定者】

まだ労働契約が成立しておらず、その会社の従業員としての地位を取得していない者。

いわゆる労働契約締結の「予約者」とか「採用内定契約」という特別の契約者といわれている。

その取り消しは解雇にならない。

【採用決定者】

労働契約が成立し、その会社の従業員としての地位を取得した者。

ただし、卒業という条件や入社日の到来という始期がついていれば効力の発生はそれらの成就した時からとなる。

その取り消しは民法上の解雇になる。

 

ただ単に、「採用予定」「採用の内定」である旨を伝えただけであれば、それは『採用予定者』にあたり、比較的自由に取り消しが可能です。

ただし、解約(取り消し)が不当であれば、民法上の不法行為として損害賠償責任を負う可能性もありますので注意してください。

 

問題となるのは『採用決定者』のケースです。

会社が内定者に対して、採用する旨の確定的意思を表示した場合は、労働契約が締結されたと認められるため、内定の取り消しは「労働契約の解除」となります。

ちなみに、採用する旨の確定的意思表示とは、例えば下記の行為をいいます。

 

  • 入社誓約書や身元保証書の異議なき受領
  • 入社日その他の細部通知や入社前教育の開始
  • いわゆる内定式を行い正式採用を通知した場合 など

 

上記のような意思表示を行った後の内定取り消しは、原則として解雇に該当し、労働法上の問題となり、合理的と認められる正当な理由がなければ無効となります。

この場合の正当事由としては、次のようなものがあります。

 

‐魴鑄嬾働契約の場合の条件の成就または不成就

採用内定取消事由を約束している場合のその取消事由の発生

その他の不適格事由の発生

 

以上のように、内定者が「採用予定者」か「採用決定者」かの違いによって、対応が異なります。

いずれにしても、内定の取り消しは会社側になんらかの責任が発生する可能性が高くなっていますので注意してください。

 

なお、採用内定者への労基法や就業規則の適用については、内定段階では適用されず、入社日以降の適用となります。

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