パートの7割超「今後もパートで仕事がしたい」〜平成28年「パートタイム労働者総合実態調査」より〜
- 2017.10.18 Wednesday
- 10:22
パートタイマーを雇用している企業も多いのではないでしょうか。
厚生労働省では、9月19日に「平成28年パートタイム労働者総合実態調査」の結果を取りまとめ公表しました。
調査対象は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所から約17,000事業所及びそこで働くパートタイム労働者から約17,000人を無作為に抽出して、平成28年10月1日現在の状況について実施されました。
有効回答率は、事業所調査で58.4%、個人調査で58.8%でした。
調査結果の概要を抜粋すると、下記の通りです。
【事業所調査】
1.パート等の雇用状況
〇パートを雇用している事業所に割合は68.8%。
〇正社員とパートの両方を雇用している事業所は64.0%。
〇正社員のみ雇用している事業所は20.5%となっている。
2.改正パートタイム労働法施行を機に実施した改善措置
〇正社員とパートの両方を雇用している事業所のうち、平成27年4月1日の改正パートタイム労働法施行を機に実施した改善措置がある事業所の割合は39.4%。
〇実施した措置の内容は「パート相談窓口等を設置し、雇い入れ時に労働条件通知書等で明示した」が44.1%と最も高く、次いで「パートの賃金等処遇を(正社員との均等・均衡を考慮して)見直した」が30.7%となっている。
3.正社員と職務が同じパート等の状況
〇正社員とパートの両方を雇用している事業所のうち、「正社員と職務が同じパート」がいる事業所の割合は15.7%。
〇かつ「人事異動等の有無や範囲が正社員と同じパート」がいる事業所は3.2%となっている。
【個人調査】
1.パートの働いている理由
〇パートの働いている理由は「生きがい・社会参加のため」が31.2%と最も割合が高く、次いで「主たる稼ぎ手ではないが、生活を維持するには不可欠のため」29.9%となっている。
2.パートを選んだ理由
〇パートを選んだ理由は、「自分の都合の良い時間(日)に働きたいから」が57.0%と最も割合が多く、次いで「勤務時間・日数が短いから」39.4%。
〇「正社員として採用されなかったから」と「正社員としての募集が見つからなかったから」はそれぞれ7.4%、11.7%となっている。
3.業務の内容及び責任の程度が同じ正社員と比較した賃金水準についての意識
〇「業務の内容及び責任の程度が同じ正社員がいる」パートの賃金水準について意識をみると、「正社員より賃金水準は低く、納得していない」が33.8%と最も割合が高く、次いで「正社員より賃金水準は低いが、納得している」が30.8%となっている。
4.今後の希望する働き方
〇今後の希望する働き方としては、「パートで仕事を続けたい」が72.0%。
〇「正社員になりたい」が18.9%であった。
〇20〜29歳に限ると「正社員になりたい」が4割を超えている。
働き方改革でも議論が進む「同一労働同一賃金」。
中でも、パートタイマーの処遇については、大きなテーマのひとつですね。
調査結果をみると、パートとして働く理由は様々であり、必ずしも正社員と同様の責任と処遇を希望しているとは限らないようです。
ひとりひとりのニーズに対して、丁寧に耳を傾けることが重要ということですね。
調査結果の詳細は、下記のサイトでご覧いただけます。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keitai/16/index.html