残業発生のメカニズムを検証〜「希望の残業学プロジェクト」残業実態調査より〜

  • 2018.02.20 Tuesday
  • 10:13

民間の研究機関である株式会社パーソル総合研究所は、東京大学の中原淳准教授との共同研究「希望の残業学プロジェクト」の研究結果を公表しました。

このプロジェクトでは、会社員6,000人を対象に調査を実施し、日本企業で常態化する「残業」の実態や発生要因、効果的な対策について検証しています。

 

調査結果で興味深いのは、残業が発生する職場の特徴について分析し、残業発生のメカニズムを検証している点です。

検証結果では、残業は「集中」して、「感染」して、「麻痺」させて、「遺伝」すると分析しています。

 

以下、調査結果からの引用です。

 


 

「集中」:仕事のシェアがうまくいっておらず、優秀な部下ないし上司層に残業が集中している

〇上司を対象に調査したところ、「優秀な部下に優先して仕事を割り振っている」人が60.4%を超え、スキルの高いメンバーに残業が集中していることが判明しました

〇また、残業削減の対策を実施している企業で働く上司のうち30.4%の人が「部下に残業を頼みにくくなった」と回答している一方で、残業対策を実施していない企業の上司は同質問の回答が17.6%に留まることから、残業施策をしている企業ほど、上司の残業集中につながっていることが推察されます。

 

「感染」:職場内の同調圧力により、帰りにくい雰囲気が蔓延する

〇残業が発生しやすい組織特性を調査したところ、「先に帰りにくい雰囲気」が最も残業への影響力が大きいことが明らかとなりました。

〇組織内の同調圧力によって残業が発生していることが示唆されます。

 

「麻痺」:長時間労働によって「価値・意識・行動の整合性」が失われ、健康被害や休職リスクが高まる

残業時間に応じて、「幸福度」は徐々に低下しますが、月60時間を超えると上昇することが明らかとなりました。

 

〈幸福度〉

〇しかしその一方で、60時間以上残業している人のうち、強いストレスを感じている人の割合は残業しない人の1.6倍、重篤な病気・疾患がある人は1.9倍と、高い健康リスクにさらされていることが判明しました。

 

〈強いストレスを感じる(%)〉

〈重篤な病気・疾患がある(%)〉

〇過度な長時間労働は主観的な幸福感を上昇させ、健康被害を軽視してしまう可能性があることが推察されます。

 

「遺伝」:上司の若い頃の長時間労働の習慣が、下の世代(部下)にも継承されている

〇部下の残業時間に影響を与える上司の行動について調査したところ、上司が「若いころ、残業をたくさんしていた」場合、その部下も残業時間が長くなる傾向にあることが明らかになりました。

〇また上司が新卒入社時に、「残業が当たり前の雰囲気だった」「終電まで残ることが多かった」経験をしていた場合、転職して就業する企業が変わっても、部下に残業をさせている傾向にあることが判明しました。

残業体質は、世代と組織をまたいで受け継がれています。

 


 

残業発生のメカニズム、思い当たる節がありますよね。

 

 

研究結果の詳細は、下記のサイトでご覧いただけます。

https://rc.persol-group.co.jp/news/201802081000.html

 

 

 

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