深刻化する人手不足〜「人材不足の現状等に関する調査」より〜

  • 2017.01.13 Friday
  • 12:16

企業の人手不足感は、ますます深刻化しているようです。

 

独立行政法人労働政策研究・研修機構では、12月27日に「人材(人手)不足の現状等に関する調査」の結果を取りまとめました。

この調査は、人手不足の実態を把握し、効果的な対策を探るとともに、人口減少下における経済の持続的な成長に向けた労働力確保のあり方等を展望することを目的に実施されています。

調査の対象は、30人以上規模の企業1.2万社に調査票を配布し、2,406社より有効回答を回収しました。

 

 

調査結果の概要は、下記の通りです。

 

【人手不足が企業経営に及ぼしている影響は?】

  • 何らかの影響があるとする割合が約3分の2にのぼる。
  • 具体的には、「需要の増加に対応できない」や「技術・ノウハウの着実な伝承が困難になっている」「事業運営上に支障をきたしている」「募集賃金の上昇や既存人材の処遇改善、時間外労働の増大等で人件費が増加している」等が多く挙がった。

 

【人手不足が職場に及ぼしている影響は?】

  • 「時間外労働の増加や休暇取得数の減少」が約7割にのぼった。
  • 次いで「従業員間の人間関係や職場の雰囲気の悪化」や「教育訓練や能力開発機会の減少」「従業員の労働意欲の低下」「離職の増加」等が挙がり、何らかの影響があるとする企業が9割を超えた。

 

【人手不足を緩和するための対策への取組状況は?】

  • 61.9%の企業が「取り組んでいる」と回答した。
  • 具体的には、「中途採用を強化する(採用チャネルの多様化、応募要件の緩和等含む)」や「採用対象の拡大を図る」のほか、「新卒採用を強化する(通年採用化、新卒定義の拡大、インターンシップの受入れ強化等含む)」「業務の効率化を進める(無駄な業務の削減、仕事の分担・進め方の見直し等)」「募集賃金を引き上げる」「定年の延長や再雇用等による雇用延長を進める」等が多く挙がった。

 

【人手不足を緩和する対策が、どの程度効果があったか?】

  • 「大いに効果があった(人材不足がかなり緩和された)」が0.9%、「一定の効果があった(人材不足がやや緩和された)」が39.3%で、計約4割が「効果があった」と回答している。
  • 一方、「未だ実感できるような効果はない(よく分からない含む)」とする企業も約6割(59.3%)にのぼった。

 

人手不足の状況は、ますます深刻化しており、職場にも大きな影響を及ぼしているようです。

企業も対策を進めているようですが、なかなか効果的な策を見いだせていない状況が伺えますね。

 

 

なお、同時に調査対象となった企業で働く正社員を対象に「働き方のあり方等に関する調査(労働者調査)」を行っています。

労働者調査では、自身の職場における人手不足感と業務量やストレス等の関係を調査しています。

 

【自身の職場における人手不足感と業務量やストレス等の関係は?】

  • 人材(人手)の不足感をより強く感じている労働者ほど、1年前と比較して自身の業務量が「かなり増えた」あるいは「やや増えた」とする割合が高くなっている。
  • また、自身の能力等に照らして、業務量が「かなり多い(多すぎる)」ないし「どちらかといえば多い」とする割合も高い。
  • 職場の人材(人手)が「かなり不足している」とする労働者では、3人に1人以上がストレスを「強く感じて」おり、「やや感じている」と合わせて8割を超えている。
  • また、人材(人手)の不足感をより強く感じている労働者ほど、「役職や専門性に関わらず、もっと良い処遇・労働条件であれば転職したい」や「専門性を追求できるなら、現在の勤務先にこだわらない」など、転職等を志向する割合が高く、職場の人材(人手)が「かなり不足している」と感じる労働者で約3割にのぼっている。

 

職場の人手不足が離職の動機となり、さらに人手不足が加速する。

そんなリスクを読み取れる結果ですね。

 

 

調査結果の詳細は、下記のサイトでご覧いただけます。

 

http://www.jil.go.jp/institute/research/2016/162.html

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