7割の企業が「介護離職は増加」と予想〜「介護離職」に関するアンケート調査より〜

  • 2017.01.17 Tuesday
  • 10:17

政府は、親族の介護を理由にした離職や転職などの「介護離職」をゼロにする目標を掲げています。

急速に少子高齢化が進展するわが国では、一人でも多くの働き手を確保することは、最重要の課題のひとつです。

 

東京商工リサーチでは、12月27日に「介護離職に関するアンケート調査」の結果を公表しました。

多くの企業では、将来の介護離職の増加を懸念していながらも、対策が不十分な点が読み取れます。

 

結果の概要は、下記の通りです。

 


 

Q1.過去1年間に(2015年11月〜2016年10月)に介護離職者が発生しましたか?

  • 全企業では、「ある」が724社(9.8%)、「ない」が5,612社(75.9%)で、介護離職者は全体の約1割の企業で発生している。
  • 資本金別では、1億円以上の大企業で、「ある」が244社(11.3%)、「ない」が1,150社(53.5%)だった。
  • 1億円未満の中小企業では、「ある」が480社(9.1%)、「ない」が4,462社(85.0%)だった。
  • 従業員の多い大企業ほど、中小企業より介護離職者の発生割合が高かった。

 

Q2.過去1年間の介護離職者は何名ですが?

  • 介護離職者数の最多は、「1名」の388社(71.1%)で7割を占めた。
  • 資本金別では、1億円以上では150社のうち、最多は「1名」の93社(62.0%)。
  • 1億円未満では、395社のうち「1名」は295社(74.6%)だった。
  • ただし、「6名以上」は、資本金1億円以上が2社(1.3%)に対し、同1億円未満は6社(1.5%)あり、離職者数別でみると介護離職は中小企業ほど深刻な状況にあるようだ。

 

Q3.将来的に介護離職が増えると思いますか?

  • 全企業で最多は、「増えると思う」が5,272社(71.3%)と約7割を占めた。
  • 次いで、「変わらないと思う」が1,866社(25.2%)。
  • 資本金別では、「増えると思う」は1億円以上が1,661社(77.3%)だったのに対して、1億円未満では3,611社(68.8%)で、大企業が中小企業より約10ポイント高かった。
  • 「減ると思う」は、資本金1億円以上で22社(1.0%)、1億円未満では49社(0.9%)でいずれも少数にとどまった。

 

Q4.「増えると思う」理由は何ですか?

  • Q3で「増えると思う」と回答した5,272社のうち、最多は「従業員の高齢化に伴い家族も高齢化しているため」で4,318社(81.9%)と約8割を占めた。
  • 次いで、「現在の介護休業、介護休暇制度だけでは働きながらの介護に限界があるため」が3,060社(58.0%)、「公的な介護サービス縮小による従業員の介護負担増加」の1,821社(34.5%)と続く。

 

Q5.「仕事」と「介護」の両立に向けた取り組みや整備している制度は何ですか?

  • 全体で最多は、「就業規則や介護休業・休暇利用マニュアルなどで明文化」の3,503社(47.3%)だった。
  • 「介護休業や介護休暇の周知、奨励」の1,299社(17.5%)、「従業員の介護実態の把握」の1,226社(16.5%)と続き、上位は啓発や啓もうに関するものだった。
  • 「なし」と回答した企業は、資本金1億円以上で336社(15.6%)、1億円未満では1,362社(25.9%)。大企業が中小企業より10.3ポイント低く、規模間で浸透度合いに差が出ている。

 

Q6.「仕事」と「介護」の両立支援について、貴社の取り組みは十分だと思いますか?

  • 全体で最多は、「そう思わない」の5,358社(72.4%)で、回答企業の7割が「仕事」と「介護」の両立支援は不十分と考えている。
  • 一方、「そう思う」は1,336社(18.0%)と2割に満たず、「分からない」は697社(9.4%)だった。
  • 資本金別では、1億円以上で「そう思わない」は1,497社(69.7%)だったのに対して、1億円未満は3,861社(73.6%)だった。
  • 中小企業は大企業より、両立支援に向けた取り組みが遅れていることが伺える。

 

Q7.「そう思わない」理由は何ですか?

  • Q6で「そう思わない」と回答した5,358社のうち、最多は「介護休業・休暇を取得中のフォローアップ体制が整備されていない」の2,793社(52.1%)だった。
  • 次いで、「介護休業・休暇を取得後のフォローアップ体制が整備されていない」の2,113社(39.4%)
  • 「その他」では、「少人数で経営のため休業者のバックアップが難しい」、「休業者に代わる人材が確保されていない」など、深刻な人手不足に起因する回答も目立った。

 


 

本年1月1日から、改正育児介護休業法も施行がスタートしました。

まずは、就業規則や育児・介護規定等の見直し、整備からスタートしてみてはいかがでしょうか。

 

アンケート結果の詳細は、下記のサイトでご覧いただけます。

 

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20161227_01.html

 

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