若者の定着はコミュニケーション次第〜「若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」より〜

  • 2017.02.22 Wednesday
  • 12:51

せっかく採用した若者が、1年足らずで退職してしまう。

多くの企業で、よくある出来事ではないでしょうか。

若者の職場への定着に関して、お悩みの会社も多いかと思います。

 

独立行政法人労働政策研究・研修機構では、「若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」を実施し、レポートを取りまとめました。

このレポートの目的は、若年正社員の離職状況および離職後のキャリア形成状況を把握し整理することで、若年者が安定的かつ健全にキャリアを形成できる職場の条件および社会の在り方を模索することとしています。

 

調査方法の概要は、

 

調査時期:平成28年2〜3月

調査対象:以下の条件に該当する若者

\固月日:1982年4月〜1995年3月生まれ(調査時に21〜33歳)

⊃ξ髻Ю擬勸として勤務した経験が1回以上ある人

最終学歴:高校、短期大学、高等専門学校、専修学校、大学、大学院修士課程を卒業または中退した人

のコ愡期:2007年3月〜2013年3月に卒業または中退

 

レポートの内容から、若者の職場定着へのキーワードは、やっぱりコミュニケーションということが判明しました。

 

 

以下、レポートからの引用です。

 


 

ヽ惺斬感噺綵蕕瓩得擬勸として勤務した会社等(以下「初めての正社員勤務先」)を離職した若者には、女性・低学歴層・中退者など労働市場で不利な属性を持つ人が多い。ただし新卒時の円滑な就職と離職との関係がない。

 

⇔タ者の勤続者の「初めての正社員勤務先」での経験を比べると、離職者は長時間労働者が多く、採用時に聞いた労働条件と現実とが異なる人が多い。また離職者は、「残業代の不払い」「人手不足」「希望した日に有給休暇が取れない」など多様な職場トラブルの経験者が多く、女性では「結婚・出産・育児・介護を理由に辞めるよう言われた」人の86.8%が、男性では「暴言・暴力・いじめ・嫌がらせ」を受けた人の49.5%がその後離職している。

 

離職者には採用後3か月間に「指示が曖昧なまま放置され、何をしたらよいか分からなかった」人や、「先輩社員と同等の業務を初めから任せられた」人が多い。また高校卒男性では「歓迎会」をしてもらった場合、専修・短大・高専卒男性は「他事業所・他部署の人に紹介された」場合に勤続傾向が高まるのに対し、低学歴層の女性では若者側から「分からないことがあった時、自分から相談した」「希望の仕事内容や働き方を伝えた」「働きぶりに意見・感想を求めた」場合にむしろ離職傾向が高まることから、上司や先輩社員の側からのコミュニケーションの不足が離職の一因である可能性が示唆された。

 

ぁ崕蕕瓩討寮擬勸勤務先」の勤続期間が同じである人同士を比べると、男女とも勤続者は採用直後から現在までにあらゆる行動特性への自己評価が高まるのに対し、離職者は自己評価が上がる人と下がる人がいる。

 

ダ別・学歴問わず多い離職理由は「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」であり、この理由を挙げた人のうち現在他の会社等で正社員として働いている人は、男女とも労働時間が大幅に短くなっている。また特に男性で「キャリアアップ」「やりたい仕事とは異なる」ことを理由とする人が多く、その人たちはこれらの理由と整合的な転職をした傾向が高いことから、若年期の離職にはより良い状況を試行錯誤しながら模索するポジティブな一面もあるといえる。一方、女性の離職理由は学歴問わず「結婚・出産」が最多だが、上記△茲蟆饉劼ら強要されたケースも含まれると推察され、額面通りにだけ受け取るべきではない。

 

Α崕蕕瓩討寮擬勸勤務先」離職者の離職後1年間の状況をみると、男性では正社員として働いていた者が6割弱、正社員以外の雇用形態で働いていた者が約3割で、女性では、正社員は約3割、正社員以外の雇用が4〜5割であった。調査時点においては男性では正社員比率がやや高まる一方、女性は正社員も正社員以外の雇用も減少し、もっぱら家族の世話などをしている人が増えた。初めての正社員勤続期間によって就業状況は異なり、短期で離職した人ほどいずれの時点においても正社員割合は小さく、また、現在の勤務先に対する満足感は、1年未満の早期離職をした男性において特に低い傾向がみられた。1年未満の特に早い離職については、その後のキャリアに与える影響も大きいと考えられる。

 


 

なお、レポートでは若年正社員とのコミュニケーションに関して、下記のように提言しています。

 

  • 離職者の「初めての正社員勤務先」では教育訓練や職場でのコミュニケーションが不足している。
  • そのためか、離職者の中には学卒時に正社員として就職しある程度勤続したにもかかわらず、職業能力に対する自己評価が低下した人もいる。
  • 雇用主に対して、採用直後の若年正社員を放置せず明確な指示のもと簡単な業務から徐々に難しい業務へと段階的に仕事を任せていくことや、「従業員同士の助け合い」や「会社全体で従業員を育てる雰囲気」など職場のコミュニティ機能の強化が、若年正社員の職場定着につながることを周知するとともに、若年社員の教育訓練に必要なノウハウや資源を提供する支援もあわせて進めることが有益だろう。

 

苦労して採用した若者です。

大切に育てたいものですね。

 

レポートの詳細は、下記のサイトでご覧いただけます。

 

http://www.jil.go.jp/institute/research/2017/164.html

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