Q.賃金に該当するもの、しないものとは?

  • 2017.05.25 Thursday
  • 09:31

A.どんな名称で支給しようとも、労働の対償として支払うものは賃金です              

 

労働基準法第11条では、賃金とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」と定義されています。

ここでいう「労働の対償」とは、労働の対価のことですが、労働時間や出来高に応じて支払われるもののみではなく、広く労働者の生活を維持していくために使用者がその雇用する従業員に支給するものであって、かつ、支給条件の明白なものならばすべて「賃金」に該当します。

このようなものならば、名称が〇〇補助金となっていたとしても賃金に該当し、法律上の賃金としての取り扱いを受けます。

 

 

『各種の保険料補助も賃金か?』

 

使用者が労働者の負担すべき保険料等を補助し負担した場合、それが、「労働者」として負担しなければならないもの、例えば、健康保険料、雇用保険料や所得税などの場合には賃金に該当します。

一方、労働者の地位にあることによる負担でない生命保険料や自賠責保険料の負担や補助は福利厚生に該当し賃金にはならないとされています。

 

 

『旅費・日当・福利厚生も賃金か?』

 

使用者が労働者に支給するものがすべて賃金に該当するわけではありません。

出張旅費や遺族見舞金等は、下記のような判断となります。

,修了抖訃魴錣明白であり従業員の労務提供および従業員としての地位にあることに対して支給されるもののみが「賃金」であり、直接家族や遺族に支給する遺族見舞金等は賃金に該当せず、

∋抖訃魴錣明白であっても実費弁償的なものは労働の対価とえないから賃金にはならず、

兄抖訃魴錣不明白で任意的、恩恵的なもの(慶弔金一封、無料優待パス等)や便宜供与に該当するもの(ガソリン代補助、ビジネススクール学資等)は賃金ではなく福利厚生となります。

 

賃金に該当するかどうかをまとめると、下記のようになります。

 

使用者が労働者に

支給するもの

支給条件が明白であり労働者に労働の対価として請求権があるもの 賃金
支給条件が明白であるが実費弁償的なもの

出張旅費(実費弁償)

提供機器(持ち込み自動車等)損料

支給条件が不明白で任意的、恩恵的なもの

福利厚生給付

慶弔見舞金

支給条件が明白であるが労働の対価ではないもの

発明奨励金

ストックオプション

改善提案報奨金等

 

Q.改正した就業規則は遡って適用できる?

  • 2017.03.31 Friday
  • 08:30

A.従業員に不利益な内容は「同意」がなければ適用できません

 

就業規則の改正が効力を生ずる時期は、原則として、それが周知された時となります。

そして、その改正就業規則に「施行期日」が定められていれば、その期日の到来した時から適用となります。

 

では、遡って適用する遡及適用期日を定めた場合に、その就業規則は有効となるでしょうか?

 

結論からいうと、従業員にとって不利益な内容であれば、従業員の同意がない限り無効となります。

 

過去の判例でも、下記のように示しています。

「既に退職願いを出している原告らに対し、報復的な意図の下に、密かに右懲戒解雇による退職金不支給規定を急遽新設する就業規則の変更を行い退職金の支給義務を免れようとしたものであると認められるので、本件新規定は原告らとの関係でその効力がない」(大阪高裁判決 日本コンベンションサービス事件)

として、該当する退職者への就業規則の適用を否定しています。

 

一方、従業員の利益となる遡及は有効となります。

「労基法第93条は就業規則に法規範的効力を認め、就業規則の変更が従来の労働条件の基準を引き上げるものであれば、労働者の同意なしに労働契約の内容を変更する効力を認めている」(昭和46.9.13東京地裁判決 日本貨物検数協会事件)

 

従業員に利益となる就業規則の遡及改定は、同意も必要なく適用されることになります。

 

Q.従業員代表の意見を聴いていいない就業規則、これって無効?

  • 2017.03.30 Thursday
  • 08:30

A.就業規則の内容を周知していれば有効

 

労働基準法では、就業規則の作成・変更について従業員側の意見聴取を定めています。

当然のことですが、この意見聴取を怠れば労働基準法違反となり、罰則が科されます(30万円以下の罰金)。

 

しかしながら、従業員代表等の意見聴取を行っていない就業規則でも、その効力については有効であると認められています。

 

判例でも、下記のように示しています。

「労働基準法においても規則変更につき組合が同意ぜず反対意見を付した場合であってもその意見が拘束力を有するものではなく。これが協議を経なかったとしても・・・(中略)規則変更が無効となるものと認めることはできない。」

 

そもそも就業規則は、使用者が一方的に作成し、変更する権限を持っています。

ですので、たとえ従業員代表等の意見聴取手続きをとっていない就業規則であっても、従業員に何らかの方法で就業規則として周知され、就業規則として適用されている以上は、それが労基法の意見聴取手続き違反となることは別として、それを理由に就業規則としての効力が否定されることにはならないということです。

 

とはいうものの、

 

ちゃんと意見聴取をしてくださいね。

 

Q.労基署に届出していない就業規則は有効か?

  • 2017.03.21 Tuesday
  • 09:23

A.未届けでも、従業員に「周知」していれば有効です

 

就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、その作成・変更について所轄の労基署長にその都度届け出なければならない旨、労働基準法で定められています。

では、このような届出義務のある使用者が、就業規則の届出を怠っていた場合、その就業規則は無効となるのでしょうか?

 

就業規則は、その性質上行政官庁への届出を効力発生要件としているのではなく、従業員に対し明示することをもって法規範として従業員を拘束する効力を持つことになります。

 

判例でも、下記のように示しています。

 

「労働基準法第89条には、使用者が就業規則を作成しまたはこれを変更した場合には当該行政官庁に届け出るべき旨が規定されているけれども、右届出手続きの履践は作成または変更にかかる就業規則の効力発生要件をなすものではなく、使用者においてその事業場の多数の労働者に共通な就業に関する規則を定めこれを就業規則として表示し従業員一般をしてその存在および内容を周知せしめ得るに足る相当な方法を講じた時は、その時において就業規則として妥当し関係当事者を一般的に拘束する効力を生ずるものと解せられる・・・。」(昭和41.1.20大阪高裁判決 コクヨ事件ほか)

 

その他、多くの判例で、届出のない就業規則も有効であることをはっきりと認めています。

 

ただし、届出を怠れば、労働基準法違反として30万円以下の罰金に処せられる可能性もありますので、ご注意ください。

Q.パートタイマーの就業規則はパートタイマーの意見のみを聴けばよいか?

  • 2017.01.31 Tuesday
  • 11:07

A.パートタイマーを含めた事業所の全労働者の過半数代表者の意見聴取が必要です

 

パートタイマー用の就業規則を作成・届出する場合にも、従業員代表の意見聴取ならびに意見書の添付が必要となります。

この場合の従業員代表ですが、就業規則の対象となるパートタイマーに限る必要はありません。

 

労働基準法では、就業規則作成時の意見聴取について、下記のように定めています。

 

「使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。」

 

この場合の「労働者の過半数を代表する者」とは、その事業場に在籍するパートタイマーも含めた全労働者の過半数代表を指します。

したがって、過半数代表者に関しては、パートタイマーを選出する義務はなく、パートタイマー用の就業規則が適用されない正社員であってもなんら問題ありません。

 

逆に、パートタイマー就業規則だからパートタイマーのみ、臨時従業員就業規則だから臨時従業員のみ、正社員就業規則だから正社員のみのそれぞれの過半数代表者の意見聴取(意見書)ということでは不適法となり、労基署長よりその届出の受理を却下されます。

 

その理由は、パートタイマーのみに適用される「パートタイマー就業規則」であれ、定年後再雇用者のみに適用される「嘱託就業規則」であっても、その事業場全体としてみれば一部労働者の就業規則として全体の就業規則の一部を構成するにすぎないからです。

そこで、意見の法定の聴取者は、あくまでも前述の事業場全体の労働者を基礎として選出された過半数代表者ということになるのです。

 

ちなみに、パートタイム労働法では下記のように規定され、適当な方法でパートタイマーの代表者の意見を聴くよう努力義務を課しています。

 

「事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聴くように努めるものとする」

 

パートタイマーの過半数代表者については、法定の意見聴取者ではないが、できるだけその意見を反映させることが望ましいということですね。

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